Quantcast
Channel: Boxing News(ボクシングニュース)
Viewing all 12741 articles
Browse latest View live

WBCバンタム級王者の中谷潤人 ゴルフ場走り込み合宿 夏予定V1戦に向け本格始動

$
0
0

 WBCバンタム級チャンピオンの中谷潤人(M.T)が相模湖カントリークラブで走り込み合宿をスタート。土台作りとなる恒例の合宿は16日まで。M.Tジムから便りが届いた。

 中谷は「初日午前の練習でしっかりと追い込めたので、このイメージのまま身体をいじめこんでいきたいと思います。相模湖カントリークラブさんをはじめ環境を作ってくれるチームに感謝してしっかり仕上げます」とのコメントを発表した。

 中谷は2月、アレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)を6回TKOで下して王座奪取、3階級制覇に成功した。初防衛戦は未発表ながら、夏開催を予定している。

 バンタム級は5月に入り、西田凌佑(六島)がIBF王座を獲得、井上拓真(大橋)がWBA王座を防衛し、武居由樹(大橋)がWBO王座を獲得。日本人選手が4団体王座を占め、統一戦が期待されている。写真=M.Tジム提供


Ex-amateur star Wada to vie for OPBF women’s minimumweight title with Thai on June 14

$
0
0

Madoka Wada of TEAM10COUNT Boxing Gym, a former two-time bronze medalist in the women’s world amateur boxing championships, will vie for the vacant Oriental and Pacific Boxing Federation women’s minimumweight title with Juthathip Sitthichen of Thailand on June 14 in Tokyo, the gym said on May 13.

The scheduled eight-rounder will be held at Korakuen Hall.

It will be the second professional fight for the 29-year-old Wada as she made a professional debut last month at the hall by stopping Pimchanok Thepjanda of Thailand in the third round in an atomweight fight.

The 22-year-old Juthathip has a record of six wins, including four knockouts, against a loss. She suffered a technical knockout loss to Sana Hazuki of Shirogane Boxing Gym in March in Fukuoka, southwestern Japan.

ベテラン和氣慎吾が快勝「世界あきらめない」 メイン田村亮一と森朝登は負傷ドロー

$
0
0

「フェニックスバトル115&ふじの国PROFESSIONAL BOXING 5」が14日、後楽園ホールで開催された。メインのS・バンタム級8回戦は、元日本同級王者で現11位の田村亮一(JB SPORTS)と森朝登(ワールドスポーツ)が初回負傷ドローに終わった。試合の模様は18日26時45分からフジテレビで放送される。

開始130秒でドローとなった田村㊧-森戦

◇S・バンタム級8回戦
田村亮一(JB SPORTS)[負傷引き分け1回2分10秒]森朝登(ワールドスポーツ)

 連敗中の元日本王者、田村は9ヶ月ぶりの再起戦。4連勝と勢いに乗るサウスポーの森を迎えた。田村が上体を振りながらプレスをかける立ち上がり。開始2分、両選手の頭がぶつかり、森の額から出血。ドクターチェックが入り、そのまま試合は終わった。

 36歳の田村は15勝7KO8敗2分。26歳の森は9勝5KO4敗1分。

プラティップを2回でフィニッシュした和氣

◇S・バンタム級8回戦
和氣慎吾(FLARE山上)[TKO2回53秒]プラティップ・チンラム(タイ)

 元東洋太平洋、日本王者で現在日本10位のサウスポー和氣が圧力をかけ、15センチ背の低いプラティップは打ち終わりに右スイングを狙った。2回早々、和氣の左カウンターでプラティップがダウン。和氣は2度目を追加すると、最後は強烈な左でプラティップを沈めた。

 36歳の和氣は31勝22KO8敗2分。プラティップは8勝3KO6敗。日本では5戦全敗。

 和氣は「正直、今日の2ラウンドの内容は硬かった。もっともっと自分はできると思っている。やればやるだけ強くなれると信じていて、次は大きな試合を組んでほしい。リングに上がり続ける限り、和氣慎吾が世界チャンピオンになる姿を見てほしい」とアピールした。

笑顔なき勝利の木村

◇58.0キロ8回戦
木村蓮太朗(駿河男児)[KO1回1分38秒]ジェス・レイ・ワミナル(フィリピン)

 日本フェザー級1位のサウスポー木村は前日計量で1.5キロ超過、ワミナルも300グラム超過。ともに当日午前10時に62.5キロ以内をクリアして試合が成立した。

 初回、プレスをかける木村が左ボディフックを打ち込むとワミナルが倒れて悶絶。10カウントとなった。木村は8勝4KO1敗。ワミナルは16勝9KO11敗1分。

 マイクを握った木村は「プロボクサーとしてやってはいけないことをしてしまいました。今回は本当に申し訳ありませんでした」と関係者、ファンに計量失敗を謝罪した。

◇S・バンタム級6回戦
植松卓美(駿河男児)[3-0(60-54×3)]星野凌(JB SPORTS)

◇ミドル級4回戦(東日本新人王戦)
山田健太郎(高崎)[TKO1回3分2秒]ケニアン・サムライ(大橋)

◇フライ級4回戦(東日本新人王戦)
渡邉響太(ワタナベ)[3-0(39-37×3)]水口滉太郎(大橋)

◇バンタム級4回戦
山本晃弘(秩父)[TKO2回2分17秒]岡田篤憲(尾張水野)
観衆=829人

史上初 ヘビー級4団体統一戦まであと4日 フューリーとウシクがリヤド入り

$
0
0

 3ヵ月の延期後、いよいよヘビー級4団体統一戦のゴングが鳴る。14日(日本時間15日)、WBCヘビー級王者タイソン・フューリー(英)とWBAスーパー&IBF&WBO統一王者オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)が試合地サウジアラビア・リヤドのブルーバード・リヤドシティでオープニングセレモニーに出席。レッドカーペットを歩いた。注目の一戦は5月18日リヤドのキングダム・アリーナで行われる。

フューリー

 試合は2月17日に同地で予定されたが、2週間前にフューリーがスパーリングで右目上をカットし延期を余儀なくされた。先にステージに立ったフューリーは「オレクサンドル・ウシクはグレートな選手。オリンピックの金メダリストで、クルーザー級で4団体統一チャンピオンになり、ヘビー級でも世界チャンピオンに就いた。しかし彼は不幸にもグレートなタイソン・フューリーと対戦しなければならない。今は私の時代だ。土曜日の夜、それが実証される」とコメント。昨年10月、同じリヤドで総合格闘技UFC元ヘビー級王者フランシス・ガヌーにダウンを奪われ辛勝するサプライズがあったが自信は相変わらずだ。

ウシク

 一方、ウシクは「土曜日は2度目の比類なきチャンピオンに就くチャンスが訪れる特別の日だ。私の国にとってとても重要なこと。ファン、ウクライナのソルジャーたちに本当に感謝している」と語った。

 アンダーカードで前IBFクルーザー級王者ジェイ・オペタイア(豪州)が一度返上した王座を元王者マイリス・ブリーディス(ラトビア)と争う。また、IBF・S・フェザー級王者ジョー・コルディナ(英)がアンソニー・カカチェ(アイルランド)と防衛戦を行う。Photos by Mikey Williams/Top Rank

Veteran Wake stops Thai’s Prathip in 2nd in super bantamweight nontitle fight in Tokyo

$
0
0

  Former Japanese and Oriental and Pacific Boxing Federation super bantamweight champion Shingo Wake of Flare Yamagami Boxing Gym stopped Prathip Chinram of Thailand in the second round in a super bantamweight nontitle fight on May 14 in Tokyo.

Wake finishes off Prathip in 2nd

  It was the 36-year-old Wake’s third straight victory since losing to Mugicha Nakagawa of Ichiriki Boxing Gym in October 2022.

  The technical knockout of the scheduled eight-rounder at Korakuen Hall came 53 seconds into the round when the left-handed Wake, currently ranked 10th in the Japanese super bantamweight division, floored Prathip with a counter left and added two more knockdowns also with left-hand punches, prompting the referee to stop the fight.

  The 36-year-old Wake, who unsuccessfully challenged then International Boxing Federation super bantamweight champion Yonatan Guzman Pena of Dominican Republic for the latter’s title in July 2016, said, ‘’I think I can do better. I still want to become a world champion. My age has nothing to do with my desire.’’

  With the victory, Wake improved his record to 31 wins, including 22 KOs, against eight losses and two draws. The 24-year-old Prathip fell to an 8-6 win-loss tally with three KOs.

世界ヘビー級「フューリー×ウシク」後はこう動く ビート6月号より

$
0
0

 タイソン・ヒューリー(英)-オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)の世界ヘビー級王座統一戦は本誌発売直後の5月18日(日本時間19日)にサウジアラビアで行われる。レノックス・ルイス以来となる比類なきヘビー級王者が誕生するのは喜ばしいことだが、「チャンピオン一人」状態もいつまでも続かなさそう。あらためて最重量級の現状をお伝えしておこう。《文:三浦勝夫/ボクシング・ビート6月号より》

photo/Mikey Williams(TOP RANK)

 「今度こそゴングが鳴ってくれ」と願う。5月18日サウジアラビア・リヤドでボクシングの華、ヘビー級の4団体統一王者が誕生する。ドローや無効試合で終わる結末がないとは断言できないが、胸の高まりを抑えきれないファンも多かろう。そしてこの大一番が終わった後、ヘビー級はどう動くのか?

 WBC王者タイソン・フューリー(英)が勝利した場合と、WBAスーパー・IBF・WBO統一王者オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)が勝った場合をそれぞれ占ってみよう。今回の契約には再戦の条項が明記され、敗者はこれを行使することができる。それを踏まえて話を進めていくことにする。

 まずフューリーが勝った場合だが、ウシクとの再戦を優先すると当然のごとく各団体が要求する指名試合の問題が生じる。全ベルトを保持して行くことは困難ではないか。残念ながら一度統一された王座が再び分裂する公算は高い。もし敗者ウシクがすべての団体で1位にランクされれば別だが、そうはなるまい。

 IBFはすでにフューリー×ウシクの勝者に指名試合を通告するポーズを見せている。6月1日サウジで行われるフィリップ・フルコビッチ(クロアチア)×ダニエル・デュボア(英)はIBFヘビー級“最終”挑戦者決定戦と銘打たれている。予想はフルコビッチ有利だが、どちらが勝ってもフューリーは指名試合を拒否すると王座はく奪処分を避けられないだろう。

 ファンがフューリーとの対決をもっとも見たがっているのが元3団体統一王者アンソニー・ジョシュア(英)だ。ウシクに王座を追われ、ダイレクトリマッチで返り討ちに遭った“AJ”だが、その後4連勝3連続ストップ勝ちと復調。とりわけ、総合格闘技からボクシングに進出し昨年フューリーに大善戦したフランシス・ガヌー(カメルーン)を豪快にKOした3月の最新戦が出色だった。再び主役へと舞い戻った印象さえあり、「今ヘビー級で一番エキサイティングな選手」と呼ばれている。..

 記事全文は発売中のボクシング・ビート6月号に掲載しています。
こちらからもご購読できます
アマゾン→
https://amzn.to/4dvRxhR

アプリhttps://play.google.com/store/apps/details?id=jp.ractive.BOXINGBEAT&pli=1

ウェルター級で世界狙う佐々木尽 10ヶ月ぶり復帰 ノイナイを豪快に倒しアジア2冠王者に

$
0
0

 WBOアジアパシフィック・ウェルター級王者の佐々木尽(八王子中屋)が16日、後楽園ホール「Lemino BOXING フェニックスバトル116」のメインに登場。東洋太平洋同級王座もかけてフィリピン王者ジョー・ノイナイ(フィリピン)と12回戦を行い、5回43秒TKO勝ち。WBO-AP王座は3度目の防衛に成功した。

左フックを思う存分振るった佐々木㊧

 WBA6位、WBC9位、WBO4位、IBF6位につける「ウェルター級初の日本人世界王者に輝く男」佐々木が左肩の手術をへておよそ10ヶ月ぶりの試合。元WBO-AP・S・フェザー級王者で、ウェルター級に進出したノイナイを迎えた。

 佐々木がガードを固めて前へ。サウスポーのノイナイはボディ攻め。左フックを外された佐々木はジャブから組み立てた。ノイナイがコツコツと攻めたが、初回終了間際に佐々木の左フックがヒット、ダメージを与えたように見えた。

 2回、佐々木は「来い」のポーズで相手を挑発、ガードの上からパンチを打たせると、その後はノイナイにロープを背負わせると左右のフックをフルスイング。左フックが当たるが、ノイナイも粘り強く対処する。佐々木のアタックは相変わらずパワフルだ。

 3回、ノイナイが連打で攻めた。ガードを固めて前に出る佐々木に、ノイナイは左アッパー、右フックを打ちみ、ボディ打ちも使って右に回っていく。佐々木はいきなり嵐のようなラッシュを見せるが、被弾が気になるところだ。

 それでも佐々木は4回に左フック、左ボディを叩き込んでノイナイにダメージを与える。4回終了時の採点は40-36×2で佐々木、39-37でノイナイが支持された。

 5回、佐々木の強烈な左フックがカウンターで入ると、佐々木が一気にラッシュ。追撃の強打を浴びたノイナイが落下していくと、主審が抱きかかえて試合が終わった。22歳の佐々木は17勝16KO1敗1分。ファンと一緒に「待ってろ世界!」とアピールした。28歳のノイナイは23勝11KO4敗2分。

 また、東日本ライト級新人王戦に井上尚弥(大橋)の幼なじみで元Jリーガーの山口聖矢(大橋)が出場。初回にダウンを喫しながら鈴木将斗(本多)に2-1判定勝ちで次戦に進んだ。

力の差を示した津川

◇日本ユースS・バンタム級タイトルマッチ8回戦
津川龍也(ミツキ)[KO2回2分45秒]森田翔大(森岡)

 両者は中学時代に2度対戦して津川の2勝。大柄な津川が鋭いジャブで圧力をかけ、森田は前後によく動きながら接近してパンチをまとめようとした。

 2回、津川はジャブをビシビシと打ち込み、右にもつなげると、森田の左目が一気に腫れてきた。優位に立った津川が左ボディ、右ボディ、さらに左ボディを突き刺すと、森田がたまらずダウン。立ち上がったものの10カウントとなった。

 23歳の津川は日本S・バンタム級4位。13勝9KO1敗。23歳の森田は6勝3KO3敗。6試合連続KO勝ちの津川は「記録にとらわれず、しっかり自分のボクシングをしていきたい。準備をしているので決まるならいつでも(タイトルマッチを)やりたい」とアピールした。

ラードチャイを判定で下した中垣㊧

◇S・フライ級8回戦
中垣龍汰朗(大橋)[3-0(80-72×3)]ラードチャイ・チャイヤウェード(タイ)

 サウスポーの中垣がプレスをかけ、ラードチャイが右カウンターを狙った。連敗中の中垣は慎重な戦いだ。3回、ラードチャイの右がヒットするが、中垣が左を上下に打ち分けてペースをつかみにかかった。

 中垣は5回、ジャブから左につないで何発かクリーンヒットを打ち込んだ。6回も中垣が優勢。左パンチを上下に散らし、右も決めてラードチャイを追い込んでいった。

 終盤、中垣は多彩なパンチでラードチャイを引き離した。最終回はラードチャイが右カウンターを打ち返して意地を見せた。連敗脱出の中垣は4勝2KO2敗2分。ラードチャイは13勝8KO13敗。

◇S・ライト級6回戦
中島海二(八王子中屋)[KO2回2分32秒]スラサック・シュンムゲェル(タイ)

◇ライト級4回戦(東日本新人王戦)
山口聖矢(大橋)[2-1(38-37×2、37-38)]鈴木将斗(本多)

◇フライ級6回戦
長谷川優太(熊谷コサカ)[TKO3回1分22秒]梶谷有樹(八王子中屋)
観衆=1083人

Sasaki stops Noynay, retains WBO Asia-Pacific welterweight title, wins vacant OPBF crown

$
0
0

The World Boxing Organization’s Asia-Pacific welterweight champion Jin Sasaki of Hachioji Nakaya Boxing Gym, unleashing a barrage of left-and-right hooks, demolished top-ranked Joe Noynay of the Philippines in the fifth round to retain the title and captured the vacant Oriental and Pacific Boxing Federation welterweight crown as well on May 16 in Tokyo.

Sasaki (L) lands left hook with all his might

  It was the 22-year-old Sasaki’s third defense of the WBO Asia-Pacific title he captured in January last year. The OPBF welterweight title was vacated by Ryota Toyoshima of Teiken Boxing Gym early last year.

  The technical knockout of the scheduled 12-rounder at Korakuen Hall came 43 seconds into the round when Sasaki dropped the left-handed Noynay with a right hook to the head after left-right hooks, prompting the referee to call off the fight without bothering to count.

  It was Sasaki’s first fight in 10 months as he went through an operation for his left shoulder injuries he suffered in his fight last July.

  In the day’s fight, Sasaki pressed forward by throwing hooks while Noynay, a former WBO Asia-Pacific super featherweight champion, occasionally landed uppercuts.

  After the fight, Sasaki said, ‘’I was thinking only about decking him. I now am relieved. The world champion, I am coming!’’

  With the victory, Sasaki, ranked fourth in the welterweight division by the WBO, sixth both by the International Boxing Federation and World Boxing Association and ninth by the World Boxing Council, improved his record to record to 17 wins, including 16 knockouts, against a loss and a draw. Noynay, 28, sagged to a 23-4-2 win-loss-draw tally with 11 KOs.


アマからまた逸材がプロ転向 万能型の吉良大弥 6.27デビュー戦に向けラスベガス合宿

$
0
0

 アマチュアからのプロ転向が相次いでいるが、志成ジムは15日に記者会見を開き、元アジアジュニア選手権大会の優勝者・吉良大弥(きら だいや・20歳)が同ジムからプロ・デビューすると明らかにした。6月27日後楽園ホールの志成ジムの興行でタイ選手コムサン・カエウルエアン相手にS・フライ級6回戦を予定している。

プロ入りが決まった吉良

 吉良は大阪・門真市出身。ファミリーが営むキックボクシングジムでスタートし、途中でキックのジムが閉鎖になったこともあり、ボクシング一本に。奈良・王寺工高から東京農業大学に進学し関東大学リーグ戦等でポイントゲッターとして活躍していた。

 しかし昨年パリ五輪出場の望みを絶たれたことから、かねて目標だったプロ転向に踏み切ったもの。大学の先輩でもある井岡一翔(現WBA・S・フライ級王者)に直接声をかけられ褒められたことがきっかけとなり、志成ジム入りを決心したという。

 吉良のスタイルは右のボクサーファイターだが、「ひとつの型にはまらない、状況によってアウトボクシングもなんでもできる」(吉良)、つまりは万能型を目指しているという。従って憧れの選手、影響を受けた選手を聞いても、名前を上げず「それぞれの選手のいいとこ取りをしている」と言う。井岡についてはボクシングだけでなく「基本を大切にする考えたも尊敬している」と語る。

 奈良の王寺工高時代に吉良を指導した高見公明監督(現日本ボクシング連盟男子強化委員長)は、今月新王者になった西田凌佑はじめ、寺地拳四朗、名城信男の3人の世界チャンピオンを高校時代に育てた人。他にも数多の名選手を手掛けたが「吉良はセンス抜群。これまで見てきた中でも屈指の潜在能力の持ち主」と絶賛している。

「お金を払って観にきてくれるお客さんに面白いと言ってもらえる試合をしたい」と、プロの意気込みを語っている。期待に応えてどこまで飛躍できるか? 25日に井岡に同道して3週間のラスベガス合宿を予定している。

元アマ名選手の須佐勝明さん大いに語る 6月号ビート「飯田対談」より

$
0
0

 今年はオリンピック・イヤー。現役時代にロンドン五輪に出場した須佐勝明さんはアマチュアの名選手であったのみならず、現在もアマチュアの要職を務める一方で自らのボクシングジムを運営し、時にプロ選手の特別指導なども行っている。井上尚弥とはアマチュア時代から親交も深い。今回の飯田対談は、アマチュアとプロの両方にとって非常に有益な話がてんこ盛りだ。《ボクシング・ビート6月号より》

飯田 五輪イヤーですし、今回は須佐さんにご登場願いました。さっそくですがパリへのチャンスはあと一度(5月26日~バンコクの最終予選)ですね。
須佐 ええ。ですが次はチャンスが広がると思っています。3月の予選はあと1勝で出場権を手に入れられた選手もいたわけです。最終予選にはすでに出場を決めた海外強豪も出ませんし。

飯田 誰が有力とみていますか。
須佐 坪井(智也)、吉澤(颯希)、西山(潮音)。田口(綾華)に木下(鈴花)も……8人のメンバー全員にチャンスがあると思います。それにしても日本のレベルは昔に比べて上がっていますね。

飯田 なぜこれほど強くなったと思いますか。
須佐 一つはUJ(アンダージュニア)。プロのJCL(ジュニア・チャンピオンズリーグ)もそうですし、基盤がしっかりして参加者もどんどん増えてきたこと。それで各ジムもやり始めたじゃないですか。小学生が中学生、高校生たちと練習できるという点ですね。どんどんと技術が優れ、それを足掛かりに全体のレベルがアップしているのかなと。

飯田 その先頭はやはり井上尚弥の世代ということですよね?
須佐 そうですね、井上尚弥に関してはいまも「UJの最高傑作」と言われています。さらにはその井上を彷彿させるようなすばらしい選手も出てきていると聞きます。

飯田 マジ!? すごいですね。そういうジュニアたちは、まずはオリンピックを目指すのがパターンですかね。
須佐 そうだと思います。それで、五輪に行けた、行けなかったのところでプロに転向する選手、アマチュアを続ける選手に分かれると。アマチュアでは(大学を出ると)自衛隊、あるいはスポンサーを付けてジムで動くという形だと思います。

飯田 自衛隊か、それ以外かという形になってるんですかね。
須佐 いま岡澤セオンが企業から支援いただいていますね。我々が現役だった10年ほど前と比べ、そういう企業が増えているのかなと。

飯田 岡澤セオンのパターンはまた実業団とは違って、プロのようにスポンサーを付けていると聞きました。実業団の社員として給料をもらってじゃない。
――岡澤本人も「アマチュアのプロ」と言っていますからね。プロの日本チャンピオンよりも待遇がいい面があるかもしれません。

飯田 アマチュアのシステムが変わってきたから活動しやすくなっているんでしょうね。
須佐 そうですね。連盟も柔軟性がかなりありますし、スポーツ業界の基準に合わせてきていますね。自分でスポンサーを付けながら、個人で活動できる。企業が道場を作る形はあまりないので、岡澤セオンのケースが今後も増えてくるんじゃないでしょうか。..

 対談全文は発売中のボクシング・ビート6月号に掲載しています。
こちらからもご購読できます
アマゾン
→→https://amzn.to/4dvRxhR

アプリhttps://play.google.com/store/apps/details?id=jp.ractive.BOXINGBEAT&pli=1

WBAフライ級王座防衛のユーリ阿久井 初任地の天満屋に凱旋 5年ぶり警備業務も体験

$
0
0

 5.6東京ドームでの初防衛戦をクリアしたばかりのWBAフライ級王者、ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)が、社会人としての初任地だった岡山県倉敷市にあるデパートの天満屋倉敷店を訪れ、元上司らに勝利の報告を行うとともに、久々に同店での業務も体験した。

 阿久井は大学卒業後、岡山を拠点とする天満屋グループ内の警備業・山陽セフティーに就職。最初の勤務が同店での警備だった。凱旋の訪問をしたのはこの13日。阿久井は多くの店員らからの大きな拍手に迎えられながら来店し、花束を受け取った。

 大仕事を終えた安ど感に加え、持参していたWBAベルトがようやく前日に届いた感激も重なって、チャンピオンの表情は終始にこやか。「皆様にベルトを初披露できて、よかったです」と声を弾ませた。初防衛戦で着けていたベルトは、間に合わなかったために対戦者側の大橋ジム、大橋秀行会長のWBAミニマム級王者時代のものを借りていたのだという。

 続いて阿久井は警備員の制服に袖を通し、約5年ぶりに同店での関係者出入り口で警備の業務に。「社会人になって初めて勤務した地で、当時緊張しながら(店内の巡回警備で)中を通ったのを思い出しました」と懐かしんだ。

 阿久井は今後、約1カ月間の休養を経てから練習を再開する予定で「万全の体調管理で、しっかり勝ちたいです。次も」と、今秋ごろとされる2度目の防衛戦を見据えていた。写真提供=天満屋

保田克也がWBO-APライト級V3戦 7.9フェニックスバトル 日本1位の石井渡士也、森且貴も出場

$
0
0

 WBOアジアパシフィック・ライト級王者の保田克也(大橋=写真)が7月9日、後楽園ホール「フェニックスバトル」で同級10位プレスコ・カルコシア(フィリピン)と3度目の防衛戦を行う。大橋ジムが17日、明らかにした。

 中央大出身のサウスポー保田は13勝8KO1敗。世界ランキングはWBO11位にランクされている。カルコシアは12勝9KO3敗1分。22年7月に来日、元WBO-AP・S・フェザー級王者の森武蔵(志成)に判定負けしている。

 同じリングでは、日本S・バンタム級1位の石井渡士也(RE:BOOT)がフィリピン同級5位エドワード・ヘノと同級8回戦を行う。石井は昨年10月、日本王者の下町俊貴(グリーンツダ)と引き分けて以来のリングとなる。ヘノは元東洋太平洋L・フライ級王者。

 ほかに日本ミニマム級1位の森且貴、日本同級9位の石井武志、バンタム級の田中湧也(すべて大橋)も出場。それぞれタイ人選手と8回戦を行う。3選手とも再起戦だ。イベントの模様はFODでライブ配信、後日フジテレビで放送される。

スポーツ長者番付 カネロが131億円で14位、ジョシュア16位、フューリー42位

$
0
0

 米経済誌フォーブスが2024年のアスリート長者番付を発表。ボクシング界からはサウル“カネロ”アルバレス(メキシコ=写真)が14位、アンソニー・ジョシュア(英)が16位、タイソン・フューリー(英)が42位に入った。ランキングは50位まで。

 S・ミドル級4団体統一王者のカネロは8500万ドル(約131億7500万円)でメジャーリーグの大谷翔平(ドジャース)の13位に次ぐ順位。内訳はリング内で7500万ドル、リング外で1000万ドルだった。カネロは2023年に1億1000万ドルで全体の5位だった。

 同誌電子版によると、カネロはボクシングのほかにメキシコ西部で「カネロ・エナジー」という5つのガソリンスタンドを、「アッパー」と呼ばれる20のコンビニ・チェーン店を立ち上げた。ほかにフィットネスアプリや、カネロ・ストアでの衣服販売なども手がけている。

 元ヘビー級3団体統一王者のジョシュアは8300万ドル(約128億6500万円)で、リング内が7500万ドル、リング内が800万ドル。WBCヘビー級王者のフューリーは5000万ドル(77億5000万ドル)で、リング内が4200万ドル、リング外が800万ドル。Photo by SUMIO YAMADA

絞ったフューリーか、キャリア最重量のウシクか ヘビー級4団体統一戦あすゴング 体重差13キロ

$
0
0

 明日18日(日本時間19日)サウジアラビア・リヤドのキングダム・アリーナで開催されるヘビー級4団体統一戦の計量が17日行われた。先にハカリに乗ったWBAスーパー&IBF&WBOヘビー級統一王者オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)は233.5ポンド(105.91キロ)、続いてWBC王者タイソン・フューリー(英)は262ポンド(118.84キロ)をマーク。引き分けや無効試合を除き、1999年のレノックス・ルイス以来ヘビー級の比類なきチャンピオンが誕生する。

激しく火花を散らすフューリー(左)とウシク

 フェイスオフするとフューリーが額をウシクに押し付ける体勢になり、2人がお互いを突き放す。そのまま陣営とセキュリティーが2人を別けた。

 前回の総合格闘技UFC元ヘビー級王者フランシス・ガヌー(カメルーン)戦で277.75ポンド(125.98キロ)を計測したフューリーだが、今回は絞ってきた印象。一方、ウシクは前回のダニエル・デュボアの時の221ポンド(100.24キロ)から増量しキャリア最重量。それでも体重差は約13キロある。

 前日の最終会見では珍しくおとなしかったフューリーだが、明日の大勝負が待ち切れない様子。「ヤツのベルトを全部強奪してやる。ヤツの心をズタズタにしてやる。試合は火花が散る! ヤツとチームをコテンパンにやっつける。彼らが望むものは全部、破壊される」とテンションが高かった。

 対するウシクは「ヤツに怖がるなと言った。明日、俺はアンタを一人にしないから」とコメント。

 同じリングの世界タイトル戦、IBFクルーザー級王座決定戦は、ジェイ・オペタイア(豪州)が198.1ポンド(89.86キロ)、マイリス・ブリーディス(ラトビア)が199.1ポンド(90.31キロ)でリミット200ポンドをクリア。

 また、IBF・S・フェザー級戦は王者ジョー・コルディナ(英)がリミットの130ポンド(58.97キロ)、挑戦者アンソニー・カカチェ(アイルランド)は129.8ポンド(58.88キロ)をマークした。Photos by Mikey Williams/Top Rank

ナバレッテ4階級制覇なるか あすベリンチュクとWBOライト級王座決定戦 

$
0
0

 明日18日(日本時間19日)米カリフォルニア州サンディエゴのペチャンガ・アリーナでゴングが鳴るWBOライト級王座決定戦の計量が17日行われた。出場するWBO・S・フェザー級王者エマヌエル・ナバレッテ(メキシコ)はリミットの135ポンド(61.23キロ)、WBOライト級1位デニス・ベリンチュク(ウクライナ)は134.8ポンド(61.14キロ)を計測した。

ナバレッテ(左)とベリンチュク

“バケロ”ナバレッテ(38勝31KO1敗1分)はS・バンタム級、フェザー級、S・フェザー級に(いずれもWBO王座)に続き4階級目のベルト獲得を狙う。勝利を収めれば同じトップランク傘下のライト級王者シャクール・スティーブンソン(WBC)、先週王者に復帰したワシル・ロマチェンコ(IBF)との統一戦が今後具体化する気配があり、試合内容と同時に結果が注目される。

 ロンドン五輪代表からプロ転向したベリンチュク(18勝9KO無敗)はナバレッテより7歳年長の36歳。デビュー9年目で初の世界アタックが実現した。オッズは6-1でナバレッテ有利と出ている。

 セミの無敗対決、WBOウェルター級1位ジオバニ・サンティリャン(米)vs.ブライアン・ノーマンJr(米)は当初、サンティリャンが保持するNABOウェルター級王座が争われる運びだったが、WBOウェルター級暫定王座決定戦に昇格。地元選手サンティリャン(32勝17KO無敗)は146.4ポンド(66.41キロ)、ノーマンJrは146.5ポンド(66.45キロ)をマークしリミット147ポンドに合格した。WBOウェルター級王者はテレンス・クロフォード(米)が君臨する。

 前座カードで東京五輪S・ヘビー級銀メダリスト、リチャード・トーレスJr(米)、元王者フェルナンド・バルガスの三男エミリアーノ・バルガス(米)らホープが登場する。Photo by Top Rank


マルティネスとの統一戦決定の井岡一翔語る ビート6月号より

$
0
0

 WBA王者井岡一翔(志成)とIBF王者フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)による世界スーパーフライ級チャンピオン対決が7月7日、両国国技館で行われる。お互いの王座をかけた統一戦がいまから待ち遠しいが、本格的なプレビューは次号でするとして、まずは試合の決まった井岡の声をお届けする。《ボクシング・ビート6月号より》

 井岡の次はマルティネス――これはまた見逃せない一戦が決まった。

 七夕の夜、両国国技館で、WBAとIBFのスーパーフライ級両チャンピオンが激突することになった。もちろんそれぞれのベルトをかけた統一戦である。

 昨年の大みそかにベネズエラからの刺客(ホスベル・ペレス)をKOで撃退した井岡はWBC王者フアン・エストラーダ(メキシコ)との交渉に再び取り掛かったものの、エストラーダはジェシー・ロドリゲス(アメリカ)との防衛戦を選択。そこで井岡が選んだのが、次に戦いたい相手というIBF王者だった。

 次善といっても、対マルティネスは掛け値なしの好カードだ。

 ピューマことマルティネスは井岡とかつて対戦するはずだったジェルウィン・アンカハス(フィリピン)のV10を阻止し、ダイレクトリマッチでも勝利したアグレッシブな選手。V2戦は指名挑戦者ジェイド・ボルネア(フィリピン)をはね返している。16勝9KO無敗の32歳。

 ボルネア戦から1年空くことになるが、井岡の対戦相手として申し分ない実績があるし、まず二人の試合は凡戦にはなるまい。アンカハスにスーパーフライ級を諦めさせたピューマの攻撃力は侮れないが、これを迎え撃つのがマスタークラスの井岡とあって、この一戦へのボクシングファンの期待度は高い。

 4月22日に品川プリンスホテルで開かれた発表会見にはマルティネスも出席した。試合の宣伝のためにわざわざ日本に呼ぶのだから、関係者の力の入れようがうかがい知れる。

 マルティネスと並んで席に座った井岡は、ライバルを横にして、
 「彼の距離で打ち勝たないと、止めることはできないと思います。彼が得意とする距離で打ち勝って、できれば倒したい」
 と積極発言をした。聞く者に、これはリップサービスではない、本心だと思わせる雰囲気が、いまの井岡にはある。

 マルティネスも当然のように宣言した。
 「脚を使って逃げたりはしない。正面から戦います。スペクタクルな試合をすると決めています」
 続けて「血を見るかも」とも。

 日本に初めてやってきたマルティネスは、井上尚弥と戦うルイス・ネリと空港到着が重なったこともあり、目ざといファンに歓迎された。そのことを「驚いた。幸せ」と素直に喜んでいたのが印象的だった。対面した井岡も、「言葉を交わしてはいませんがナイスガイな感じはした」と言っていた。..

 記事全文は発売中のボクシング・ビート6月号に掲載しています。
こちらからもご購読できます

アマゾン→→https://amzn.to/4dvRxhR

アプリ→https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.ractive.BOXINGBEAT&pli=1

辰吉寿以輝が流血の判定勝利 無敗守って年内のタイトル戦視野

$
0
0

 大阪帝拳主催の「第82回ドラマチックボクシング」は18日、大阪市のエディオンアリーナ大阪第2競技場で開かれた。メインのS・バンタム級8回戦は、日本同級12位の辰吉寿以輝(27=大阪帝拳)がチャイワット・ブラドッグ(32=タイ)を倒しきれず、3-0の判定勝利。セミのフェザー級8回戦は、22年の全日本S・バンタム級新人王の安村綺麗(24=ディアマンテ)がタイ人選手を1回に3度倒してTKO勝ちした。

7回、流血しながら攻める辰吉(右)

 辰吉は3回、バッティングで左目上をカット流血の試合を強いられた。左ボディからの攻勢をかけるが、連打につながらず、チャイワットのショートストレートを受ける展開。パンチで右目上も切れた辰吉は7回に右ストレートをヒットして、チャイワットをロープまで飛ばしてダウン寸前まで追い込むも、パンチをまとめ切ることができなかった。

 元世界王者の父丈一郎さんは「下手くそやなあ。正面に立ってしまうから左ストレートをもらってしまう。教えたつもりだが、できていない。今のままではタイトルは無理」と息子に厳しい採点。聞いていた辰吉は「これから頑張るのが辰吉です」と前を向いて話した。

 年内にタイトル戦を予定している辰吉は16勝10KO1分と負け知らず。チャイワットは41勝27KO10敗。

安村は初回TKO勝ち

◇S・バンタム級8回戦
辰吉寿以輝(大阪帝拳)[3-0(77-75、78-74、79-73)]チャイワット・ブラドッグ(タイ)

◇フェザー級8回戦
安村綺麗(ディアマンテ)[TKO1回2分11秒]アヌーチャット・トングボーイ(タイ)

中野幹士がプロ10連勝 サタポーンを7回TKO S・ウェルター級1位玉山将弥は判定敗

$
0
0
7回、サタポーンを倒した中野

 18日夜、後楽園ホールの日中タイ友好親善試合のメインを務めた日本フェザー級7位の中野幹士(帝拳)は、タイのサタポーン・サアートに7回1分32秒TKO勝ち。全勝レコードを10(9KO)に伸ばした。

 サウスポーの中野は左ボディなど初回から強打のタイミングが合っており、2回には右フックでサタポーンがグラリとしてクリンチ。

 早々に優位に立った中野はその後もサタポーンをヒットし続ける。3回にも左アッパーでサタポーンを後退させ、まとめ打ち。KO決着の期待が高まったが、サタポーンは中野の強打に耐え続けた。

 中野は4回、右ジャブでアウトボクシングをしたり攻撃にアレンジを加えるものの、それでもサタポーンは頑張り、右を放って抵抗。しかし迎えた7回、サタポーンと距離が詰まったところで中野が左ボディ。

 「流れで出たもので感触はなかった」と中野が振り返ったパンチだが、虚を突かれたタイのタフガイはたまらずダウンした。立ち上がったサタポーンに中野は猛攻。ボディを攻め相手に守らせてから顔面に連打してマーチン主審のストップを呼び込んだ。

 試合後「本当にタフだった」とサタポーンについて語った中野。左ボディなどハードパンチを何発も当てつつも「決め方が分からなかった」と漏らした。「手ごたえのあるパンチはありましたが、(サタポーンを)絶妙に芯を外していました」「もっとスカッと勝ちたかった」と語っていた。サタポーンは13勝8KO2敗。

玉山㊧はヅアンに判定負け

◇S・ウェルター級8回戦
ヅアン・ファン(中)[判定2-1]玉山将弥(帝拳)

 約1年半ぶりの再起戦となった玉山はヅアンの手数に後手に回り苦しい立ち上がり。主導権を奪えず、左ボディや右の1発を好打してもヅアンの軽打を5発返されるような展開が終始続いた。終盤は前に出て右をねじ込んだりしたものの、ヅアンはロープを背負いながらも相変わらずこつこつと右アッパーなどを打ち続けた。判定は割れたとはいえヅアンの勝利は明白に見えた。日本S・ウェルター級1位にランクアップしていた玉山だが、これで3連敗に。14勝8KO5敗。ヅアンは7勝4KO1敗1分。

◇フェザー級6回戦
ダウス・リテ(中)[TKO2回1分42秒]上野永吉(ワタナベ)

すみだボクシング祭り2024盛り上がる プロアマのトップ選手がゲスト参加

$
0
0

 18日、東京・錦糸町のひがしんアリーナ(墨田区総合体育館)では「すみだボクシング祭り2024」が催された。4年目となる今年は非公式ながら4000人を超す来場者があった。

寺地㊨とグッシーの新旧L・フライ級王者はトークショー

 L・フライ級統一王者の寺地拳四朗(BMB)を筆頭に現役トップ選手と元世界王者の具志堅用高、畑山隆則、八重樫東各氏、パリ五輪出場の岡澤セオン、原田周大(ともにリモート)らが参加。ミット打ちや写真撮影、トークショーでファンと触れ合った。アマチュアの駒澤大、日本大のボクシング部員もミット打ち体験をサポートした。

 また同時にセミアリーナではオール4回戦興行が開催され、こちらは計量失格などの理由で3試合がキャンセルとなったものの、計11試合が行われた。

ミットを持った三代㊧と栗原の両王者。写真撮影も長蛇の列だった

 この日参加したゲストは次の通り(順不同、敬称略)。八重樫東、武居由樹、堤聖也、鈴木雅弘、飯村樹輝弥、佐々木尽、丸田陽七太、重岡銀次朗、富施郁哉、谷口将隆、高山涼深、尾川堅一、村田昴、高見亨介、岩田翔吉、増田陸、寺地拳四朗、栗原慶太、三代大訓、吉野修一郎、晝田瑞希、八重樫東、畑山隆則、具志堅用高、岡澤セオン、原田周大

5月19日はボクシングの日! 白井義男の日本初世界王者誕生から72年 戦後の日本に希望の光

$
0
0

5月19日はボクシング界にとって記念すべき1日である。1952年5月19日、夜の後楽園球場で日本人初の世界チャンピオンが誕生したのだ。今からちょうど72年前のきょう、白井義男はこの歴史的な勝利で、日本ボクシング史に名前を刻んだ。あらためてその偉業を振り返りたい。

白井義男のファイティングポーズ

戦前の1943年にプロデビューした白井は、ほどなくして召集され海軍航空隊に入隊。戦闘機の整備兵として働いた。戦後、プロボクサーとして復帰し、日拳ホールで練習していた48年ごろ、のちに師弟関係を築くアルビン・カーン博士がフラリと現れた。

白井の才能を見抜き、指導を買って出たカーン博士だが、ボクシングの経験はまったくなかったというから驚きだ。ただし、理学士の学位を持つ博士は、スポーツにおけるタイミングの重要性やコンディショニングについて独自に研究していた。このときはGHQの天然資源局のスタッフとして来日中だった。

軍隊生活で腰を痛め、復帰後は3敗を喫して低迷していた白井は、カーン博士の指導を受けて、日本フライ級、日本バンタム級王座を獲得し、上昇気流に乗っていく。食糧事情の悪かった当時の日本において、博士が用意した食事で栄養状態が改善し「腰痛を克服できた」とのちに語っている。

1951年に世界王者のダド・マリノ(米)と後楽園球場で初めて対戦。白井は「世界チャンピオンなんて雲の上の存在」と最初は断ったそうだが、結果は大健闘の1-2判定負け。自信をつけて半年後、敵地ハワイで再びノンタイトル戦を行い、2回に1度、6回に3度、7回に2度のダウンを奪って7回TKO勝ちを収めた。白井はのちにこの勝利を「私のボクシング生活の中でもベストバウトと呼べる」と話している。

白井が世界王座を獲得した後楽園球場

この時点で翌52年の世界タイトルマッチは決まっていた。当時、敗戦から日の浅かった日本にコミッションはなく、世界タイトルマッチを開催するため、関係者が急きょ日本ボクシングコミッション(JBC)を立ち上げたことも記しておこう。

こうして記念すべき日本で初めての世界タイトルマッチが実現したのである。後楽園球場には4万人を超える観衆が詰めかけた。

アメリカ人のカーン博士は試合前、白井にこう語ったという。

「日本は戦争でアメリカに負け、今の日本で世界に対抗できるのはスポーツしかないだろう。キミは自分のために戦うと思ってはいけない。日本人の気力と自信をキミの勝利で呼び戻すのだ」(ボクシング100年=日本スポーツ出版社より)。

白井は強打のマリノに対し、持ち前のスピードをいかしてアウトボクシングを貫いた。7回、マリノの左フックを食らってダメージを受け、ゴングに救われたあと、カーン博士が「ウェーク・アップ、ヨシオ!」と叫んだ逸話はあまりに有名だ。

これで目を覚ました白井は15ラウンドを戦い抜き、世界チャンピオンベルトを日本に初めてもたらした。当時まだテレビ中継はなく、ラジオの聴取率は83%をマークした。

白井は世界フライ級王座を4度防衛し、5度目の防衛戦でパスカル・ぺレス(アルゼンチン)に敗れて王座陥落。再戦でもぺレスに敗れてグローブを壁につるした。

引退後はテレビ、新聞の解説者を務め、白井・具志堅ジムの名誉会長を務めた。身寄りのないカーン博士とは引退後も一緒に暮らし、カーン博士は1971年に死去。白井は2003年12月26日、80歳でその生涯を閉じた。

白井が初めて世界チャンピオンとなった5月19日を、日本プロボクシング協会は「ボクシングの日」に認定している。この日にこだわって世界戦を開催し、王者ホセ・アルファロを下してWBAライト級王座を獲得したのが小堀祐介。2009年5月19日のことだった。

Viewing all 12741 articles
Browse latest View live