ザ・グレイテストが逝った─。元世界ヘビー級王者のモハメド・アリ氏が3日(日本時間4日)、米国アリゾナ州フェニックスの病院で死去した。享年74。複数の米メディアが報じた。アリ氏は呼吸に関する問題で入院し、治療を受けていると広報担当者が2日に明らかにしていた。 米メディアは20世紀のスポーツヒーローの死去を大々的に報じ、多くの関係者がコメントを寄せた。アリのファイトを27試合手掛けたトップランク社の総帥、ボブ・アラム氏は「本物のグレートが私たちのもとを去った。アリはこの国に変化を与え、世界にインパクトを与えた。彼の遺産は私たちの歴史の一部になり続けるだろう」と話した。 同じく大物プロモーター、ドン・キング氏は「私はアリを愛したいた。彼は私の友だちだった。アリは決して死なない。彼のスピリットはマーティン・ルーサー・キングのようにに生き続けるだろう」とコメントした。 アリ氏の死はボクシングの枠を超えて世界に衝撃を与えた。プロバスケットボールNBAのスーパー・スター、レブロン・ジェームズは「彼が時代を超えたベストであるのは、リングの中での活躍だけではなく、リングの外でも信じられないことを成し遂げたからだ」と発言。スポーツ界におけるアフリカ系アメリカ人の地位向上に、アリが果たした役割について言及した。 カシアス・クレイとしてケンタッキー州ルイビルに生まれたアリ氏。ボクシングを始め、1960年ローマ五輪ではL・ヘビー級優勝。ローマから帰国後にルイビルのレストランで黒人であることを理由にサービスを拒否され、ショックから金メダルをオハイオ川に投げ捨てたという伝説はあまりに有名だ。 プロへ転向したアリ氏は64年2月にソニー・リストンを7回KOで破り、世界ヘビー級王座を奪取。その後イスラム教に改宗し、クレイからアリに改名した。ヘビー級王座を3度獲得する間、ジョー・フレイジャー、ジョージ・フォアマンらとリング史に残る名勝負を演じた。そしてリング外でもベトナム戦争に反対してアメリカという国家と戦うなど、世間に大きな影響を与えた。 81年に現役を引退したあとはパーキンソン症との戦いが続き、徐々に公の場に姿を見せる機会も減っていったが、人道的な活動や発言で注目を集め、20世紀の偉大なスポーツヒーローとして人々に愛された。最後までボクシング界にとってシンボリックな存在だっ...
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